祝☆ラテールライトノベルコンテスト大賞受賞!一条一さんインタビュー

オンラインゲーム「ときめきファンタジー ラテール」を題材としたパブーのライトノベルコンテストで、見事大賞を受賞された一条一(いちじょう・はじめ)さん。
受賞作の『黒月姫、冒険へのプロローグ』は、孤高の姫君の心の葛藤を硬質で美しい筆致で描き、審査員からも「確かな筆力」「色気を感じる」「続きが読みたい!」と絶賛されました。


▲ラテールで遊んだことがない方にも楽しんでいただける内容です。

8月2日、大賞受賞記念ということで、一条さんに弊社までお越しいただいたのですが、そこへ現れたのは細身の若い男性。
女性キャラクターのリアリティある描写などから、作者の方は女性かとスタッフはおもっていたのですが、実は男子大学生でした…!


▲笑顔でくす玉を割る一条氏。

▼一条一(いちじょう・はじめ)氏インタビュー

■ライトノベルコンテストに応募したきっかけ
自分の読書管理ツールとして、1年くらい前からブクログのiPhoneアプリを使っていました。そこでコンテストのことを知り、ゲーム(題材となる「ときめきファンタジー ラテール」)を始めました。

■黒月姫を作品の主人公に選んだ理由

キャラクター紹介を見た時、黒月姫が一番背景がはっきりしていたので。
気位が高くて他者には壁を作って素直になれないとか、誰が好きで誰が嫌いかとか。
あとはお姫様だけあってちょっとSっぽいんですけど、そういうキャラクターが一人いると、原動力になってくれるので物語を進めやすいです。


▲「あ、僕にM属性があるわけじゃないです…」と語る一条氏。

あとは字数が決まっていて、短編でまとめなければいけなかったので、登場人物をギリギリまで絞り込みました。
必然的に、黒月姫にぐっとクローズアップするような内容になりました。

■ときめきファンタジー ラテールの魅力について
未完成なところでしょうか。
未完成というか、謎があって、背景があって、それをプレーヤーが補ったり自分で物語を広げたりできる点ですかね。

■これまでの創作歴
小説を書き始めたのは、1、2年くらい前からです。
それまではむしろ苦手だったようにも思うのですが、20歳くらいから、急に、自分でも書けるのではないかと思い立ちました。
こたつの中に入ったままの姉が弟にアイスを買いに行かせる話など、いくつかの短編小説を書きました。
ちなみに大学は文系ではなくて、理工学部の環境創造学部というところにいました。

■好きな小説家
<一般文芸>
森見登美彦さん
『夜は短し歩けよ乙女』『四畳半神話体系』などが好きです。
お話も好きなんですが、ただ文章を読んでいるだけで面白いというのがすごいです。
辻村深月さん
直木賞候補にも上がった『オーダーメイド殺人クラブ』が傑作でした。
星新一さん
この方のショートショートから本を読むようになりました。
荒山徹さん
現代の山田風太郎。朝鮮柳生。

<ライトノベル>
十文字青さん
秋山瑞人さん
ラノベを読み始めたきっかけはこの方の『イリヤの空、UFOの夏』からです。
ともかく新刊が出ないことで有名です…。
山形石雄さん
戦う司書シリーズという、超大作のファンタジーを書いた人です。新シリーズに期待しています。
冲方丁さん
今や『天地明察』ですっかり文学の人というイメージになりましたが、ラノベでも出してます。
マルドゥック・シリーズシュピーゲルシリーズの続きが読みたいです。


▲ブクログのしおりと飴をもって記念撮影。

■パブーを使ってみてのご感想

投稿まで、すごく簡単でした。先に文章を完成させておいてから、まとめてアップロードしました。
初めて使ったのに、1時間くらいで全部できました。
ユーザーインターフェースもわかりやすかったです。

■今後の活動予定

今就職活動中なので、早く内定を決めて、長編小説を書きたいと思っています。
書いてみたいテーマの一つとして、脱走ものがあります。
『プリズン・ブレイク』が面白かったので、自分も挑戦してみたいなと。

一条さん、どうもありがとうございました!
次回作が、楽しみですね。

黒月姫、冒険へのプロローグ

著者:一条一
価格:無料
閲覧環境:WEB PDF ePub

こちらから読めます≫



美しき姫君・黒月姫の、イリスへの複雑な感情、統治者としての孤独・心の葛藤を丁寧に描いた作品。ライトノベル好きの方、文学好きの方、どちらにも楽しんでいただけます。



▼ラテールライトノベルコンテストの結果発表はこちら

http://p.booklog.jp/contest/latale_novel/result

祝☆青空文庫漫画コンテスト大賞受賞!萱島雄太さんインタビュー

先日の「ブクログのパブー 青空文庫漫画コンテスト」で、芥川龍之介原作の『鼻』をシュールにアレンジし、見事大賞を受賞された萱島雄太さん。 

 
    
 
今回は、受賞記念といたしまして、萱島さんに、さまざまな質問に答えていただきました!
そのシンプルで個性的な構成美の秘密は、広告のお仕事に携わったことが大きかったようです。
▼萱島雄太さんインタビュー
 
■「青空文庫漫画コンテスト」に応募した理由
竹熊健太郎さんのブログやtwitterをフォローしていて、今回のコンテストのことを、竹熊さんが審査員をされるということで知りました。
完全にオリジナルの漫画と並行して、こういった原作付きの漫画を描くことで、力をつけたいという思いもありました。
■芥川龍之介の『鼻』を選んだ理由
もともと芥川龍之介の『鼻』が好きだったのもありますが、漫画にするなら起承転結のはっきりしたストーリーが良いと思っていたのと、鼻のキャラクターが思い浮かんでこれなら漫画の良さを活かしたリメイクができそうだと思ったので、『鼻』を選びました。


▲『鼻』の1シーン。無駄のない美しいペンタッチも魅力の一つ。
■マンガ歴
2011年の1月に仕事を辞めて、漫画家を目指して本格的に漫画を描き始めました。
それまでは、WEB広告のデザインの仕事をしていました。
小さい頃から漫画家になりたくて、ジャンプを読んだりしてたのですが、僕の好きな漫画家さんたちは、たいてい若い頃に漫画以外のことから何かを吸収していたということを知り、そこから10年くらい意図的に漫画から離れました
その期間は、バドミントン、軽音(ドラム)、デッサン、デザイン、プログラミングなど漫画以外のことを積極的にやるようにしていました。
10年間、漫画はほとんど描いてきませんでしたが、いつかこれらのことが漫画につながる気がしていたので特に大きな不安はありませんでした。
大学時代はひたすらデザイン(広告デザイン)ばかりやっていましたが、その中で、デザインと漫画の共通点に気がつきました
言いたいことを一つにしぼったり、クライアントに伝わるように企画のストーリー立てをしたり、ユーザーの事を第一に考えて情報を編集するなど、デザインで学んだことが、今となっては漫画を描く上で大いに役立っていると思えます。
読む方では、最近は大友克洋さんやオノナツメさん、島田虎之介さんなどの作品を読んでいます。

■電子書籍のメリット
フルカラーでもコストがかからないし、表現の幅が広がりますよね。
表現の幅ということで言うと、僕は大学のときに、WEB上での漫画表現の可能性について考え、『HACK TO THE BRAIN』というフルFlash作品を作りました。
この作品は、「アニメではなく、"動くマンガ"」という考え方を軸に、マンガという表現形式そのものを、デジタルで再構築し直す試みとして制作しました。
コマが奥から手前にやってきたり、コマ表示の時間差を利用したコマわりなどをしています。
現状ではこのような試みは流行らなそうですが、紙ではできなかった表現を追求した作品がもっと生まれてきたら、それはそれでユニークな市場が生まれるのではと期待しています。
紙には紙の良さがありますが、電子書籍にはデジタルならではの表現の可能性があったり、流通面において手軽に作品を発表できるという利点があります。読書端末の普及によってもっと一般層に広がることも期待しています。
紙と電子書籍、どちらかに偏ることなく、相互に発展していって欲しいです。
■今後の活動について
紙・デジタルにこだわらず、漫画という表現軸を使って、その可能性を広げられるような様々な作品を作っていきたいと思っています。
展示向け作品といったアーティスティックなものから、ベタベタな王道漫画まで、いわゆる漫画家というイメージにとらわれない、多様な活動をしていけたらと思います。
また、東京アートブックフェアやコミティアなど、イベントにも積極的に参加したいと思っています。
萱島さん、ご丁寧に回答いただき、どうもありがとうございました!
次回作も、期待しています☆☆☆

▼審査員から賞賛の声が寄せられた青空文庫漫画コンテスト大賞受賞作!

著者:萱島雄太
原作:芥川龍之介
価格:150円
閲覧環境:WEB PDF ePub

こちらから読めます≫


自らの容姿が「鼻」であることにコンプレックスを感じていた禅智内供。人々にからかわれる毎日に耐えられず、とある薬を試したところ、人間に戻ることに成功した。念願かなってご満悦の禅智内供だったが、寺の人間たちは誰もそのことを信じようとせず…。人間のもつ自尊心・エゴイズムの滑稽さ、恐ろしさを、漫画で誰にでもわかりやすいように表現した作品。

▼『鼻』の他、すべての受賞作・ゲスト作家作品・原作の小説をまとめたアンソロジー

ブクログのパブー 青空文庫漫画コンテストアンソロジー

著者:ブクログのパブー 他
価格:300円
閲覧環境:WEB PDF ePub

こちらから読めます≫


『青空文庫漫画コンテスト』の受賞作品と、竹熊健太郎、ひうらさとる等の審査員によるコメント、各原作小説に加え、武富健治、うめ、衿沢世衣子等のゲスト作家8名の漫画作品を1冊にまとめたアンソロジー集です。
 
 
【プロフィール】
萱島雄太 Yuta kayashima
1983年 神奈川生まれ
2008年 武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒
2008年-2011年1月 (株)博報堂アイ・スタジオでWebデザイナーとして勤務
現在は漫画家を目指して新作を鋭意制作中。
【受賞歴】
2008年「HACK TO THE BRAIN」
第12回文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査委員会推薦作品
2006年「MANGA2.0」
第10回文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査委員会推薦作品
2006年 FUKUDAポスター大賞入選

 


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